大判例

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仙台高等裁判所 昭和30年(う)161号 判決

職権を以て調査するに、被告人に対する昭和二十九年十一月二十七日附起訴状記載の公訴事実二及び同年十二月二十八日附起訴状記載の公訴事実二の1、2、は何れも被告人が単に重過失に因つて他人を傷害した旨の事実を表示しているに止まり、その過失が業務上過失たる事実は之を表示して居らず、かつこれが訴因の変更又は追加が行われたことがないのに、原判決は、これらの事実につき原判示第一の二及び第二の(一)(二)の如く重過失傷害とは認めず、却て業務上過失傷害であると認定処断したものである。しかしながら重過失傷害と業務上過失傷害とは、その犯罪構成要件を異にし、かつ前者に対する被告人の防禦は当然に後者に対するそれを包含するものとは解されないから訴因の変更又は追加の手続なくして重過失傷害の公訴事実を業務上過失傷害と変更して認定することは許されないものである。果して然らば原判決は審判の請求を受けない事件について判決をした違法があるものといわなければならず、この点で破棄を免れない。

(裁判長裁判官 鈴木禎次郎 裁判官 蓮見重治 裁判官 細野幸雄)

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